イヤホンやヘッドホンを長く使っていると、大事にしていても起こるのが断線です。
場合によっては、かんたんに修理ができます。
物理、電機分野、機械が苦手な方でも分かるよう解説してみたいと思います。
断線したら捨てる前に修理に挑戦してみましょう。
目次
修理可能な故障
今回紹介する修理方法はオーディオプレーヤーなどとの接続側、プラグ根本での断線に有効です。
このプラグの根元辺りを触ると音が途切れるようになって最終的に完全に片側もしくは両側が聞こえなくなることってありますよね。
またケーブルの被膜が破れ中の線材が見えてしまっているものなど、この部分での故障は極めて多いです。
このタイプの故障であれば断線した部分を切り取り新しいプラグに取り換えてしまいましょう。
必要な道具
ご紹介する道具はホームセンターへ行けばだいたい揃うと思います。
ワイヤーストリッパー
ケーブルを切ったり、被膜を剥がすのに使用します。
ハンダごて
マストアイテムのハンダごてです。
断線修理以外にも使えますし、お持ちでない方は、この際に買っておくとよいと思います。
私はこのハッコーのプレストというハンダごてを長らく使っています。
手元のボタンを押すことで急速加熱ができて、とても便利です。
3、4本のハンダを使いましたが今ではこれに落ち着いています。
ハンダ
出典:hakko
ハンダはイヤホン一つの修理であれば、20cmもあれば十分です。
画像のものはハッコーの鉛フリーハンダ太さ0.8mm長さ1Mです。
健康、環境に優しい鉛フリーです。ただ、少しハンダの流れが悪いので扱いにくいです。
太さは初心者の方は細目のものをオススメ致します。
グルーガン
出典:bosch
ホットボンドを溶かすための道具、グルーガンです。
ケーブルをはんだ付けした後の補強に使用します。
私はBOSCHのものを使用していますが、100均でも見かけたことがあります。
熱収縮チューブ
出典:ohm
熱を加えると縮む特殊なチューブです。
これも補強と断線再発の防止に使用します。
収縮した後の内径がおよそ断線したケーブルの太さと同じものが良いです。
プラグ
出典: viablue
切り落としたイヤホンプラグを交換するため新しいものが必要となります。
正確には3.5mmステレオプラグというパーツです。
3.5mmとは金色の部分の径の太さで最近は色々とあるので注意!
これに限ってはホームセンターでは手に入りません。
電子部品を取り扱っているお店、サイトもしくはイヤホンの専門店等で手に入ります。
今回私はどうせ変えるなら格好の良いものにしたいので、高価ですがVIABLUEというメーカーのものを使用してみます。
イヤホンの仕組み
一からの説明となるので知ってるよーという方や難しい話は抜きでやり方のみ知りたい場合は飛ばして下さい。
イヤホンは上図のように耳に入れる音のなる部分、プレーヤーと繋ぐためのプラグ、そしてそれらを電気的につなぐためのケーブルからなります。
電気的につながるとは金属同士で接続するということです。ケーブルの場合は多くは銅です。
そしてイヤホンには極性(乾電池の+-のようなものです)があり左右それぞれに+、-の極がありますこれらをショートしない(金属同士が触れない)ように接続します。
ただ1つ例外があり左右の-側は接触させます。図でも青い線が途中で1つになっていますよね。
そしてまたプラグ側にも極性があり下画像のようにLの+をつなぐ部分、Rの+をつなぐ部分、LRの-をつなぐ部分の3つがあります。
この極性は部品により場所や形が異なり、自分で確かめる方法もあるのですが今回はややこしくなることを避け割愛します。
修理開始
実際の作業に入っていくのですが、まず最初に本当に断線が原因の故障か確かめるため、
他にイヤホンを持っていればプレーヤーやスマホに接続し確認しましょう。
他のイヤホンでも症状が出るようであればプレーヤー側の故障です。
イヤホンが壊れていた方はさっそく修理に取りかかりましょう。
STEP 1. 問題の部分をカット
断線している部分は外からでは分かりません。
ただ断線しかけの時にケーブルを触っていると聞こえたり、聞こえなくなったりする部分があると思います。
その部分の上でケーブルをカットします。
実際にはプラグの付け根で断線していることが多いです。
STEP 2. 被膜をカット
ワイヤーストリッパーを使用して被膜を1~2cmほど剥がします。
ワイヤーストリッパーがなければカッター等で軽く被膜に切れ目を入れ剥がすという方法もあります。
内部にはこのように3本のエナメルコーテイングされた銅の撚線が3本入っています。
エナメルコーティングをすることで、お互いに接触した時にショートしないようになっています。
STEP 3.エナメルコーティングを溶かす
銅線を覆っているエナメルのコーティングを熱で溶かします。
これはハンダのノリを良くするためです。
加減が難しいですが、端から5mmほど溶かすのが理想です。
赤や緑のコーテイングが溶けて銅色が見えています。
STEP 4.予備ハンダ
コーティング溶かした銅線にハンダを流します。
銅線をハンダこてで温めてから、ハンダをそこへ当てると溶けて銅線へ流れていきます。
同じようにプラグ側の端子にも予備ハンダをしておきます。
予備ハンダをすることで線とプラグとのはんだ付けがやり易くなります。
STEP 5.プラグと銅線をハンダ付け
ハンダをする前にプラグのカバーをケーブルに通しておきましょう。
後で通すことが出来ないのでこのタイミングでやらなければなりません。
まずはプラグのGNDへ銅色の線をはんだ付けします。
赤い線をR側へ、緑の線をL側へはんだ付けします。
左右は仕様によって違う場合もあるかもしれません。
今回は確認したところこのようになっておりました。
STEP 6.断線予防
はんだ付けも終わって動作が確認出来たら、保護のためグルーガンでロウ付けします。
さらに熱収縮チューブでロウ付けした部分を覆う様にカバーします。
STEP 7.プラグカバー
プラグカバーをしたら完成です。
当ページをみて自分でもできそうだなと思われた方は是非イヤホンを買い替える前に一度チャレンジして見て下さい。
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